20150609_#011

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先日の衆議院憲法審査会で、参考人の学者全員が議論されている安全保障法制は「違憲である」と陳述したことが報じられています。
一般の方は、3人全員が違憲と判断したことで「安倍政権が暴走しているのか」との印象を持ったと思います。さらに私の玄人的な経験からは、なぜ3人が3人とも「違憲」と判断したのかに疑問が残ります。
参考人は、与党側推薦と野党側と、それぞれ呼ばれます。与党は与党側の、野党は野党側の、それぞれの論拠を示してくれる学者を呼ぶのが一般的なのです。それにも関わらず、3人が3人とも「違憲」ということは、与党側の学者まで、「安倍政権、これは違憲ですよ」と述べたということです。これには与党内からも批判が出ているようですが、当然でしょう。

国対(国会対策)委員長の経験から、与党はたるんでいたと思います。おそらく、審議日程のことばかりを考えていたのでしょう。
予算委員会などでも、参考人の招致や公聴会などがありますが。今回は安全保障関連法案についての衆議院憲法審査会での参考人質疑、いずれにしても与党にとってはセレモニーとでも考えているようです。とにかく審議日程を早く消化するために、名目上やっておきましょうといったような感じです。
「公聴会行いました」→「参考人質疑行いました」→「審議時間◯時間たっぷり行いました」→「さあ採決しましょう!」という流れが、ただの消化試合かのような意識として与党側にあるのです。
今回の参考人の人選は、与党が論拠になる人を真剣に選んだわけでなく、適当に名前が挙がった人に、簡単に任せてしまったのではないでしょうか。与党側の意をきちんと提示してくれるかどうかよりも、審議日程を早く前に進めるためにゴーサインを適当に出した結果、今回のようなミスキャスティングになったといえます。

しかし、事の本質は「全員が」違憲だったことではありません。違憲とする意見(!)の論拠です。

与党推薦の早稲田大学・長谷部恭男教授の発言を見ます。
大きく2つありますが、
①「集団的自衛権の行使が許されるという点については、私(長谷部教授)は憲法違反だと考えております」
②「従来の政府見解の基本的な論理の枠内では説明がつかないし、法的な安定性を大きく揺るがすものだ」
とのことです。

①の「私は憲法違反だと考えている」については教授の見解ですから、個人的見解でスルーで良いと思います。

問題は、②の「従来の政府見解の~」です。

この後に教授も発言されていますが、憲法は「内閣法制局を中心として紡ぎあげてきた解釈があり、文言・条文から直接わからない場合は、解釈を通じて意味を確定していくことになる」というわけです。すなわち、「内閣法制局が積み上げてきた見解をひっくり返すもので」問題だ、としています。
私は全く逆で、法制局が一度出した結論が未来永劫に変えられないとするのは問題だと思っています。内閣法制局は、あくまでも役所(=行政)の一つの局なのに、そこが一度でも憲法解釈をしてしまうとその後は変えられないとなれば、内閣法制局が「憲法の番人」の役割を担ってしまいます。確かにこれまでは法制局は事実上の憲法の番人「的」な役割を果たしてきました。しかし一役所の一部門が出した解釈が未来永劫変えられないということは、突き詰めると仮にその解釈が間違っていたとしても変えることができないという話になってしまうわけです。

その意味で、この②の問題は本質的に変えなければなりません。
日本にも、具体的な事案ではなくて、「どう解釈をするか」を判断するために、憲法裁判所があってしかるべきです。憲法裁判所が無いため、法制局の解釈が良い・悪いの議論となってしまい、あげく、解釈を変更すると「改憲」という議論になってしまうのです。
日本には憲法裁判所が必要、と考えます。


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