中田宏チャンネル_170420_#472_トルコ大統領

16日日曜日にトルコ共和国で国民投票が行われ、約51%対49%で憲法が改正されることになりました。

トルコの政治体制は議院内閣制で大統領に実権はほとんどありませんでしたが、今回、大統領に実権を集中させ、議員内閣制は廃止、非常事態宣言の発令権や閣僚の任命権・予算策定権、さらには司法権まである程度付与されるなど「独裁体制になるのでは?」とすら懸念されています。
さらに国民投票の結果は僅差で、無効票の多くが賛成に回されているとの情報もあり、正当性すら疑われる事態になっています。
いずれにしてもトルコは1923年に共和制を宣言し翌年に建国しましたが、このとき以来の大転換と言えそうです。

今回、大統領に権限を集中させる理由について、国際情勢が様々に変化するなかで国内の統治機構に問題があって結論がすぐに出せない状態を余儀なくされているのか?などと推察したのですが、情報に明るいトルコ人などいくつか信用できる方に聞いてみるとそうではないようです。

大統領のエルドアン氏は以前に3期まで再選可能な首相を3期目、11年半ほど務めていましたが12年の任期満了前に大統領に転じています。
前述のとおり大統領にはほとんど実権がありませんがこうした経緯からエルドアン氏は内閣をほぼ掌握しましたが、それでも時にエルドアン氏に楯突く人が出たり軍がクーデターを起こしたりしたため、氏としては憲法を変えて任期も延長させた上で大統領に再任してさらに実権を握りたいというのがハラのようです。
また核開発をしていたイランと裏でつながっていたとの噂もあり、自らの立場が追い詰められないようにするためといった事情もあるようです。

日本の外務省はトルコをアジア・中東の一国と認識していますが、トルコ自身はヨーロッパの一員と位置づけ、NATO(北大西洋条約機構、北アメリカ・ヨーロッパ諸国の軍事同盟)に加入していますし、これまでEU(ヨーロッパ連合)への加盟も求めてきました。
いずれにしても地政学的にトルコはまさにアジアとヨーロッパの間に位置し、シリアからヨーロッパへの難民のバッファー、ヨーロッパやアメリカとロシアのバッファーといった「バッファー(緩衝装置)」を果たし、これが地域の安定に繋がっていたことも事実です。
turkey
外務省HPより

今回の憲法改正の強行によって皮肉なことにエルドアン氏が大統領に再選されるかどうかは微妙になったのかもしれませんが、いずれにしてもヨーロッパ・アジア間の大国トルコから目が離せません。


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