中田宏チャンネル_170323_#452_G20

今日から明日にかけての報道は国会での籠池泰典・森友学園理事長の証人喚問一色になるでしょう。
この1週間も情報番組などはずっと森友問題を取り上げていましたが、世の中でその他にニュースがないわけではありません。
G20・主要経済国の財務大臣・中央銀行総裁会議は、潮目が変わったかもしれない大きな会議となりました。

今回のG20は先週末の3月17日〜18日にドイツ・バーデンバーデンで行われました。
G20は世界経済の協力体制推進を確認し、かつ他の経済関係会議のトーン(基調)に影響を与える会議ですので、参加20ヶ国が合意した文書となる共同声明が毎回、注目されます。

その内容は金融政策・為替などは従来のトーンが維持されたものの、貿易については明らかに変わりました。
トランプ政権が誕生する前の平成28(2016)年9月4日〜5日に中国・杭州で開催された前回のG20首脳会議では「貿易」という単語が40回も出てきましたが、今回の共同声明ではたったの2回で「貿易そのものを重視しない」と捉えることができます。
特に注目なのは、G20が保護主義に対して自由貿易を推進していく立場を維持するために従来、何度も使ってきた「あらゆる形態の保護主義に対抗する」という文言が盛り込まれなかったことです。

今回、トランプ政権下で初めて参加したアメリカ・ムニューシン財務長官は
「過去の声明は我々の立場とは必ずしも関係ない」
「今回の声明はG20で議論したことが正確に反映されている」
と共同声明を評価しつつ、オバマ政権が参加していた時のG20は我々には「関係ない」と言っています。
さらに「今回の声明が自由で”公正”な貿易を進めていくとしているのは明らかだ」とも述べました
この「公正な貿易」はトランプ政権下で何度も触れられていますが、要するに自分たちの貿易赤字は許されない≒結果の平等のようなものを求めています。
念頭に置いているのは日本・中国・カナダ・メキシコ・ドイツなどで、アメリカの貿易赤字国を”正す”のが「公正な貿易」という意味でしょう。

世界にとって重要な会議であるG20において「保護主義への対抗」という言葉が削られたことは、保護主義も認め、トランプ政権の勝手な解釈における「公正な貿易」にもお墨付きを与えたことを意味します。
これは4月から始まる「麻生・ペンス」日米ナンバー2経済協議や、5月にイタリアで開かれるG8主要国首脳会議に間違いなく影響を与えるでしょう。

今回のG20は「あの時に世界の潮目が変わったぞ」と振り返る会議になるかもしれません。


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