中田宏チャンネル_170227_#435_カルロスゴーン

先週、日産自動車のトップ人事が発表されました。
これまで約17年、日産を率いてきた社長・最高経営責任者(CEO)のカルロス・ゴーン氏が会長となり、社長・単独CEOに副会長・共同CEOの西川広人氏が就任するとのことです。

ゴーン氏とは横浜市にとっても日産にとっても大変充実した仕事をご一緒させていただいた思い出があります。
今では日産と横浜市は重要なパートナーですが、これまで特に重要だったのがゴーン氏と私が直接、一緒に進めた日産自動車グローバル本社の横浜みなとみらい21への移転です。

ゴーン氏に初めて会ったのは平成15(2003)年3月、日産エンジンミュージアムの開館式でした。
その前年、平成14(2002)年に横浜市は日本で最も古い自動車工場である日産横浜工場を「歴史的建造物」に認定してその工場が日産エンジンミュージアムになったのですが、その開館式で私とゴーン氏がスピーチを行いました。

私は次のように言いました。
「この工場のように日産自動車はまさに横浜の会社である」
「これから先、横浜を拠点にビジネスを展開してほしい」

控え室などではゴーン氏に「横浜に本社を移したらどうか」と水を向けたりもしました。
もちろんそう簡単なことではないと思っていましたが、数週間後にはゴーン氏が「市長はどこまで本気で言っているのか?」と反応をしていたことを日産と横浜市の担当者を通じて耳にしました。
シメた!と思いすぐにアポを取り、今度は日産本社でゴーン氏と会って「本気ですよ」と伝えたのです。

それから日産と横浜市の間で本社を設置するためにはどのような環境を整備すればよいのか検討を開始し、その結果、成立させたのが“企業立地促進条例”です。
主な内容は
・固定資産税・都市計画税を5年間2分の1に
・土地取得費や建設費等の10分の1、最大50億円を助成
というもので、もちろん日産以外の会社も活用できる仕組みです。

平成16(2004)年5月に条例が成立し同年6月に日産は本社の横浜移転を発表。
その後、建設に入って平成21(2009)年に現在みなとみらいにドーンと建っている日産本社移転が完了しました。

初めて”ボール”を投げてから本社移転発表までわずか1年3ヶ月。
今考えても本当に奇跡的なスピードで、まるでテニスのラリーのようにお互いがぽんぽんと協議を進めていきました。

ゴーン氏はこのように述べていました。
「グローバル企業の本社はどの国・どの都市でも良い」
「しかし企業にも人間にもアイデンティティ(帰属意識)が必要で、日産にとっては横浜である」

最初から環境が整っていたわけではありません。
環境はただ待っているだけでは生まれず、自分たちがお互いの協議でスピーディーに作り上げていったわけで、この件は横浜市にとって大きな意味があったのと同時に、私の人生にとっても思い出深いものとなりました。


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