中田宏チャンネル_170222_#432_百条委員会

東京都議会が百条委員会の設置を決めたことでニュースでは大騒ぎになっています。

言わずと知れた”豊洲市場移転”についてですが、なぜ大騒ぎをしているのかというと、まず百条委員会は地方自治法第百十五条に基づいて「参考人の出頭を求め、その意見を聴く」というのとは違います。

地方自治法
第百十五条の二
2  普通地方公共団体の議会は、会議において、当該普通地方公共団体の事務に関する調査又は審査のため必要があると認めるときは、参考人の出頭を求め、その意見を聴くことができる。

百条に基づく委員会は出席を拒否できず、またウソを言えば罰せられるという強制力・権限のある調査ができ、そこに石原慎太郎元知事が呼ばれるようだから大騒ぎなのでしょう。


第百条(関係部分)
普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の事務(自治事務にあつては労働委員会及び収用委員会の権限に属する事務で政令で定めるものを除き、法定受託事務にあつては国の安全を害するおそれがあることその他の事由により議会の調査の対象とすることが適当でないものとして政令で定めるものを除く。次項において同じ。)に関する調査を行うことができる。この場合において、当該調査を行うため特に必要があると認めるときは、選挙人その他の関係人の出頭及び証言並びに記録の提出を請求することができる。
○3  第一項後段の規定により出頭又は記録の提出の請求を受けた選挙人その他の関係人が、正当の理由がないのに、議会に出頭せず若しくは記録を提出しないとき又は証言を拒んだときは、六箇月以下の禁錮又は十万円以下の罰金に処する。
○9  議会は、選挙人その他の関係人が、第三項又は第七項の罪を犯したものと認めるときは、告発しなければならない。但し、虚偽の陳述をした選挙人その他の関係人が、議会の調査が終了した旨の議決がある前に自白したときは、告発しないことができる。

都議会に百条委員会は過去6回設置されていて、最近では今から12年前、石原慎太郎知事時代に側近の副知事・浜渦武生氏が呼ばれています。
ちなみに浜渦さんは今回も呼ばれることになるでしょう。
また”幻の7回目”というのもありこれは猪瀬直樹知事(当時)が”例の医療法人”の5,000万円は「カバンに入る」「入らない」とかやっていて、あの時も百条委員会設置が決まりましたがその翌日に猪瀬さんは辞任を表明しましたので、このことからも百条委員会というのが大変重みのあるものだということはお分かりいただけるでしょう。

この百条委員会は国会でいえばいわば証人喚問に当たります。
国会議員にはと広く政策議論をタブーなく行うために憲法で次のような規定があります。
日本国憲法 第五十一条
両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。
そして国会議員と全く同じではありませんが地方議員にも議会では同じような免責特権が広く認められているような部分があり、いずれにしても百条委員会や国会の証人喚問では「ウソを言えば罰せられますよ」というところに重みがあるわけです。

そこで、よく出てくるセリフが「記憶にございません」と言うものです。
というのは「記憶にない」「忘れてしまった」というのは”ウソではない”ので罰することはできません。
有名なものでは、ロッキード事件(昭和51(1976)年。アメリカの航空機製造大手のロッキード社による主に同社の旅客機の受注をめぐって、明るみに出た世界的な大規模汚職事件)の時に関与を疑われた議員が証人喚問で次々と「記憶にございません」「記憶にないです」と並べたてましたが、その後も証人喚問や百条委員会ではこのセリフは多用されてきました。

ただし、”実際に本当に記憶にない”ことも有りえます。
私は横浜市長に就任したのは今から15年前ですが、毎日のように次から次へとさまざまな決定をしましたので当時どんな説明を受けたかなどを子細には正直、覚えておりません。

首長は本当に毎日さまざまな判断をしなければなりません。
逐一、説明を聞いて最後は”政治家として決定”というものもあれば、ほとんど説明を聞かないもの、あるいは聞いた上ですんなり”行政マン的判断”をするものまでいろいろあります。
もちろん、いずれも首長の責任です。

では今回の豊洲市場移転問題はどうなるでしょうか。
石原さんが「聞いてなかった」ということはありえないでしょうから、責任逃れのために「記憶にございません」というのは論外ですが、実際問題として石原さんは”どこまで覚えている”でしょうか?


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