中田宏チャンネル_170202_#418_経済根性論

1月26日の日本経済新聞1面トップの見出しは
「20年度黒字化 困難に」
「基礎財政収支 赤字拡大8.3兆円」
ウィークデーの木曜日に大々的に報道したことから、かなり重大なニュースであることが読み取れます。

記事本文には前日25日に内閣府が経済財政諮問会議に提出した試算結果が掲載されていますが、この会議は内閣総理大臣や財務大臣をはじめとした経済閣僚そして民間人で構成され、日本の大方針を決める極めて重要なものです。
試算内容は
「実質経済成長率が2%以上/名目経済成長率が3%以上」(=高い経済成長)
「2019年10月に消費税を10%に引き上げ」
と仮定しても
「国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)は8.3兆円の赤字となる」
というもので、この数字は1年前の同会議での試算”6.5兆円”から拡大しています。
ちなみに直近の経済成長率は第2四半期(昨年7月から9月)で前期比0.3%増、年率換算で1.3%増でしたが、もう少し長いスパンで見ると試算の前提数字「実質2%」「名目3%」には届いておらず、そもそも”高い経済成長”は実現できていない状態です。

安倍総理は昨年1月22日の第百九十回国会(通常国会)での施政方針演説で
「2020年度の財政健全化目標を堅持します。」
と述べ、また先週23日の衆議院・代表質問でも
「2020年度におけるプライマリーバランスの黒字化を実現してまいります」
と答弁しています。
ちなみに基礎的財政収支(プライマリーバランス)とは”税収で政策を行えるかどうか”を表す数字で、家計で例えるなら”給料で日々の生活を賄えるかどうか”ということです。
つまり赤字ということは”給料では生活費が賄えず、借金がどんどん積み重なっていく状態”と同じことなのです。
※プライマリーバランスについては昨年6月9日のブログもご覧ください。
2016/6/9『【消費税】増税延期の「プライマリーバランス」って何さ!』

しかし「堅持する」「何とか実現する」「守るんだ」という根性論ではダメで、具体的な策が伴っていなければ実現できるはずはありません。
経済成長は「入り(=税収)」を増やすために必要ですが、やはり「歳出削減。何を節約するのか」を明確にすることが重要です。
特に自然増となっている社会保障費(保険・公的扶助・福祉・公衆衛生など)の抑制が必要で、例えば十分に収入のある年配の方も居るわけです。
もちろん政府は努力していますが、抜本的に改革しなければ黒字化の達成は無理でしょう。
これらは避けて通れない問題であり「いつか手をつけよう」でなく「今すぐ手をつけるべき」ものです。

「根性論」だけでは安倍総理の財政政策は”化けの皮”となって、剥がれるのは時間の問題となってしまいます。


「YouTube」ボタンからチャンネル登録をぜひよろしくお願いします!