中田宏チャンネル_170112_#403_共謀罪

今月20日から始まる通常国会に政府は犯罪を計画段階で処罰する『共謀罪』(テロ等準備罪)を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を提出し、審議される見込みです。

17年前の平成12(2000)年に国連で国際組織犯罪防止条約(国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約)が採択されましたが、日本はこれを担保する国内法がないため未だ締結していません。

政府は今回、3年後の2020東京オリンピック・パラリンピックでの”テロ対策”と位置付けて理解を求める構えですが、振り返れば条約採択の頃はテロが頻発していたという時期ではありませんでした。
条約の主な目的は例えばマネーロンダリング(資金洗浄)のような組織的・国際的な犯罪を未然に防ぐためで、いずれにしても犯罪が関わる金の流れはテロを含めてまた犯罪に使われるため日本も防がなければなりません。

犯罪”行為”があって(既遂)処罰されるのが日本の法律の原則で、行われていない犯罪(未遂)を防ぐための法律は極めて例外的なものしか存在しません。
そのため今回の共謀罪では
「居酒屋で“あいつボコボコにしちまうか、やっちまおうぜ”といった会話をしただけでも逮捕されるようになるのか?」
「あらゆるものを未然に防ぐことを理由に電話が常に盗聴されるのではないか」
「そういう危険性が広がる社会になってしまうのではないか」
と懸念する意見がすでに出ていて、人権をしっかりと守るよう進めていかなければいけません。

今回の法案で”共謀してはならない”とされる犯罪の対象は国連条約の規定から“死刑・無期懲役又は4年以上の懲役や禁固に当たる重大な犯罪”で、例えば殺人罪・強盗罪・監禁罪などがあたり、一方、暴行罪・脅迫罪は対象ではありませんが、対象数は676にものぼります。
今後、この対象犯罪676の必要性や妥当性、拡大解釈されないための議論を丁寧に行う必要があります。

国連の条約制定から17年が経過し、主要国を含め187国が批准しています(昨年10月現在)。
批准していないのはイラン・南スーダン・ソマリアなどわずかですが日本もそのひとつです。
“事が起きなきゃ動かない”のは日本人の悪いクセです。
凶悪な犯罪に共謀してはならず、それを未然に防ぐことも大事、一方で人権も重要で、国会ではバランスの取れた極端ではない議論を期待します。


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