中田宏チャンネル_161207_380_真珠湾

12月5日夜、安倍晋三・総理大臣から電撃的な発表がありました。
月末26・27日にハワイを訪れ、日米開戦のきっかけとなった真珠湾のアリゾナ記念館でオバマ大統領とともに献花をして所感を述べるということです。
※アリゾナ記念館=日本の真珠湾攻撃で撃沈された戦艦アリゾナの追悼と攻撃自体を記念する施設

これにはいろいろな見方がありますが、多くは今年5月にオバマ大統領が広島を訪ねたことに対する返礼というものでしょう。
否定はしませんがあくまで広島と真珠湾は一対ではなく”日本側・安倍総理が自発的に行く”ことを理解しておく必要があります。
読売新聞の12月7日の社説では次のようにあります。
「無辜(むこ)の市民への非人道的な核兵器使用と、軍事拠点に対する奇襲攻撃を同列に扱うのは適当ではない。ただ、日米両首脳が戦後70年を経て、ともに懸案を解消し、未来に踏み出すことは意義深い。」
こうした視点も重要です。

2つ目は、トランプ・次期大統領に対するメッセージということです。
トランプ氏はオバマ大統領の広島訪問の際に”オバマ氏はどうして日本の真珠湾攻撃に触れないのか”
といったツイートで批判しました。
今回の真珠湾訪問はトランプ氏に対しても充分なメッセージになるでしょう。
総理は先日、外国首脳としてはいち早くトランプ氏と面会しましたが、現政権・ホワイトハウスはかなり不快感を示したということはどうやら本当です。
これを受けてでしょうか、昨日(12月6日)あるニュース番組で“いち早くトランプ氏に会ってゴメンナサイ。だから真珠湾にも行きます”といったような表現で総理がハワイ訪問を決めたかのように表していましたが、これは当たらないでしょう。
間を置かず次期首脳にコンタクトを取るのは実に良い政治判断で、その上で今回ハワイも訪問するというのは決して”ゴメンナサイ”ではなく絶妙なバランスと捉えるべきです。

そしてオバマ政権のリバランスと日米同盟の強化、これが最も重要です。
オバマ政権は一期目では中国と距離を詰めようとしましたが日本は忠告をし続け、二期目になって対中国の方針を変えアジア全体重視でリバランス(=再均衡)したわけです。
南シナ海や東シナ海問題は何度も本ブログでも扱ってきましたし、ほかにもいろいろな要素がありますが、今後、日米同盟がしっかりアジアにあることがまさに地域の平和と安定のために重要になります。

今回の総理の真珠湾訪問はずっと温められてきた”カード”で、このカードをどこで切るかが外交的には重要でした。
外交とは単純ではなく、いろいろな意味を込めるものです。
オバマ氏の広島訪問はアメリカ国内でも批判がありました。
今回の総理訪問は日本国内では今のところ評価されています。
日本の良いところ、寛容であり優しさだと思います。
こうした日本を世界に発信する機会にすべきです。

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