中田宏チャンネル_161025_351_ドゥテルテ

※26日追記 天皇陛下とドゥテルテ大統領の会見の日を訂正しました。お詫び申し上げます

本日、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領が来日しました。
6月の就任以来、問題発言を繰り返して物議を醸していますがフィリピンではそこそこウケていて支持率は高いようです。

先週、ドゥテルテ大統領は中国を訪れていました。
フィリピンと中国の南シナ海問題は、外野の他国が「ああしろこうしろ」と言って起こったものではなく、アキノ前大統領時代にフィリピン自身が「中国に占拠された。不法だ。やりたい放題が許されていいのか」と国際社会に訴えたのが始まりです。
そのこともあってASEAN諸国ではフィリピン側を支持する国の方が多く、一方で中国側に立つ国もあって紛糾するなか日米はフィリピンの主張に耳を傾けて後押しをしてきました。
しかし、ドゥテルテ大統領は選挙中に「水上バイクで(領有権を争っている島に)乗り込む!」と言ってみたり中国寄りの発言を繰り返してみたりと主張が一貫せずワケが分かりません。

先週の訪中では1兆4000億円という巨額の経済協力を取り付け、領土問題については立ち入った議論はしないと折り合いを付けて来ました。
ドゥテルテ大統領には会ったこともありませんが、これらの矛盾する発言は「もしかして高等戦術なのか?」「領有権は主張するが、まずは中国から経済援助を引き出すのが先だと考えているのか?」と思ったりもしました。
しかし、どうもそういう人ではなさそうです。

19日の北京でのスピーチでは、アメリカに向かって「お前らは自分の利益のためにフィリピンにいる。友人よ、さよならを言う時が来た」と映画のセリフのような決別宣言をしていますし、バラク・オバマ米大統領に対して“売春婦の息子”と以前口にした暴言を再び吐いてアメリカは不快感を示しました。
さらに「私が今後アメリカを訪問することはない」「侮辱されるだけだから」とまで言い放ちました。
先週は中国、今回は日本を訪れるドゥテルテ大統領ですが、アメリカには行かないと明言しています。
アメリカは今のところは冷静で、カービー・米国務省報道官は「彼の発言は他国もアメリカも困惑している」としていますが、ここまで言われて冷静に対応し続ければ“フィリピンに泣きつくアメリカ”とも見えかねずこれが続くとは思えません。

南シナ海の問題は、昨年12月のブログ『やっぱ大事でしょ!小さな国際記事に見た「意思と能力」の重要性』でも触れましたが、アメリカ・フィリピン間には今でも日米同盟のような安全保障協定(米比相互防衛条約)が結ばれています。
しかし91年に米軍の駐留をフィリピン上院が批准しなかったことで、米軍は92年までにスービック海軍基地とクラーク空軍基地から撤退し、その後に南シナ海を中国にどんどん取られてしまった歴史があります。

2015年12月7日『やっぱ大事でしょ!小さな国際記事に見た「意思と能力」の重要性』
http://nakada.net/blog/3164

あちこちにフラフラするフィリピン。
フィリピンと関わってきた経験から、約束を守らずその時の思い付きが多い国ということは実感しています。

安倍総理や、明日は天皇陛下とも会見をする予定だそうですが不安が残ります。
※天皇陛下との会見は27日でした。お詫びして訂正します。

日本はどのように対応すべきでしょうか。
いずれにしても「アメリカには行かない」そうですが、フィリピンは国際社会でどのようなスタンスをとっていくのか。
手強いというか何を考えているか分からない相手ですが、安倍総理、ここはどうぞよろしくお願いします。

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