中田宏チャンネル_160930_335_大統領討論会

9月26日(現地時間)アメリカ大統領選テレビ討論会が行われました。

今回のテレビ討論会を見て、トランプ候補に久しぶりに「ピーマンだ」という言葉を思いつきましたが、討論自体の中身については2つの感想=懸念を持ちました。

1つ目は、両候補とも”内向き”であることです。
これまでのアメリカの姿勢と全く異なるわけですが、なぜアメリカまでもが内向きになっているのでしょうか。
それは世界で格差が広がるなかでアメリカといえどもアメリカンドリームという憧れの眼で金持ちを見る余裕がなくなってきているからです。
格差で鬱憤が溜まっている人たちが今回の大統領選挙で候補者の発言を次から次へと修正させるほどの影響力を持っています。

経済政策について、クリントン候補はインフラ投資や再生エネルギー投資などへ28兆ドルを投資して雇用を生み出すとし、トランプ候補は連邦法人税を35%→15%に引き下げ、アメリカへの企業(再)誘致を行うとしています。
これ自体は構いませんが、両候補ともこれまでアメリカが主導してきたTPP(環太平洋戦略的経済連携協定/Trans-Pacific Partnership)には反対姿勢を示しました。
本当に内向きだと言わざるを得ません。

2つ目は今回のテレビ討論会で多く発言があった日本についてです。
トランプ候補は4回、クリントン候補は2回触れましたが、その中身は安全保障の議論で、日米安保に関して「アメリカばかりが損をして日本を守ってやっている」と言うトランプ候補に対して、クリントン候補は冷静に「日米同盟は重要だ」という見解を示していました。
これに関しては、5月13日のブログ『【アメリカ・トランプ氏】「ウソは方便」でもコレはまずいでしょ』で書きましたが、本当に重要な論点なので、皆さんにもう一度読んでいただきたいと思います。

5月13日のブログ『【アメリカ・トランプ氏】「ウソは方便」でもコレはまずいでしょ!』
http://nakada.net/blog/5267

さて、テレビ討論会は今回が1回目で残り2回は10月に行われます。
選挙に非常に大きな影響をもたらしますが、この場での政策的な議論よりも、表情や目線や立ち方、そして化粧方法などが重要視されるとも言われ、「最重要だ」とするアメリカの知人までいます。
確かに表情などのファクターは大統領の資質として決して軽いものだとは思いません。
しかし“最重要”はないのでしょう。

日本ではアメリカ大統領選について、
「1年かけて民主党・共和党からそれぞれの候補者選び、予備選挙から始まって本選挙まで含めて1年以上かける。
それに比べて日本では、後出しじゃんけんだと言われる都知事選のように、ポッと出てサッと決まってしまう。
アメリカの大統領選は1年以上かけて資質が磨かれて、脱落者も出るなかで耐え得る人物だけが残っていくのだから素晴らしい仕組みだ」
という人が少なからずいます。
私自身もその一面を感じてきましたが、今回は政策議論ではなく大統領としての印象の方が重要であるという感情に流された選挙になっていることには非常に不快感を覚えます。
トランプ候補のこれまでの発言を覚えているでしょうか?
ああいう発言をこの1年で次々と発してきたにも関わらず、まだ脱落していないのです。

小泉純一郎・元首相や小池百合子・東京都知事について、敵を作る”劇場型”政治だと言う人がいますが、トランプ候補は劇場型どころではなく”妄想型”政治でしょう。

ピーマンですね。

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