中田宏チャンネル_160909_322_築地移転問題

8月31日に小池百合子・東京都知事が築地市場の移転延期を発表しました。
小池知事が何か行うたびに大きなニュースになる時期ではありますが、期限が決まっていた築地市場移転にストップをかけたという意味で確かに大きなことです。

築地市場は豊洲への移転が決まっていました。
築地からそんなに遠いわけではありませんが、豊洲に移転させる理由は築地市場の老朽化です。
また衛生上の問題もあり、新しい市場を作ることになりました。
老朽化を議論し始めたのは30年前、豊洲市場への移転が正式に決まったのは15年前ですから、どんどん時間は経っています。
問題を考えると新しい場所に移して、日本の“台所”さらには経済の拠点として長く使える場所にしていくべきでしょう。

今回、テレビなどではいろいろと議論が出ていて、何が本質的に一番コアの問題なのかが分わかりにくいのではないでしょうか。
例えば「仲卸業者にとって豊洲市場はスペースが狭いので巨大なマグロが切れない(捌けない)」「ターレー(ターレットトラック・運搬車)が十分には走れない」環状2号(道路)の建設ありきではないか」「その結果として渋滞をはじめ市場の使い勝手が悪くなるのでは」などの不満・意見が出ています。
しかし、道路問題を含めてこれらは移転に反対する本質的な問題ではないと思います。

横浜市時代も似たような問題はいくつもありましたが、実感したのは人の”変わりたくないシンドローム(症候群)”です。
「今までやってきたその土地にこだわりたい」「新たな設備投資はしたくない」「動きたくない」という心理が働いて、新しい場所がこれから先どんなに良い場所になると説明しても「今のままでいいんだ」「(仕事をするのは)もうあと何年もないんだから」という人がいるものです。
さらに「築地」はもはやブランドにもなっています。
「築地から入りました」と言うだけで一つの価値になっているわけですから、築地という名前で長年、商売をやってきた人たちは”変わりたくないシンドローム”が根底にあるのでしょう。

全体費用が3倍まで膨れ上がってしまっていることについては情報公開の必要がありますし、その原因と責任についても追及はすべきです。
しかし本質的に残るのは土壌汚染の問題でしょう。
これは都民ばかりでなく多くの消費者の食品を扱う上で懸念される問題ですから、科学的にケリをつけるしかありません。
豊洲の土壌を入れ替え、土壌汚染対策法に基づいて2年間モニタリングを行ってきて、現在は基本的に問題のない数値になっています。
土壌汚染について最終的にしっかりとした結果が出たら、前に進めなきゃダメです。
これは都知事となった小池さんの責任ですし、長い目で見て何が重要なのかを考えていく必要があります。
「やっぱり築地だね」という意識、”変わりたくないシンドローム”はありますが、きちんと説明できる情報を出せたら、前に進めることが重要です。

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