中田宏チャンネル_160824_#310_フィリピン

リオ・オリンピック報道に隠れてしまった感がありますが、8月18日に日本がフィリピンに海上警備のための巡視艇を1隻供与したニュースがありました。
平成30(2018)年までに日本の円借款187億で合計10隻をフィリピンに供与することになっています。

20140901nakada

この警備艇を運用するのは日本の海上保安庁に当たるフィリピンのコーストガードPCG(フィリピン沿岸警備隊・Philippines Coast Guard)で、実は2年前の平成26(2014)年9月1日に実際にマニラに足を運んで副長官と話をしてきましたので、痛いほどフィリピンの現状が分かります。

フィリピンの島々がどんどん中国に取られてしまっていることは、8/4ブログ「アジアまとまらず!判決を「紙くず」と言い放つ身勝手な国」などこれまでに何度も書きましたが、訪ねた2年前にはすでにフィリピンは国際仲裁裁判所に中国の横暴ぶりを訴えていてこの判決はこの7月に出ました。
それでもASEAN(東南アジア諸国連合・Association of South‐East Asian Nations)ではカンボジアやラオスが中国寄りの姿勢で反対して中国の行動について全体合意もできません。

しかし平成14(2002)年にASEANと中国で一つの合意があります。
DOC(南シナ海に関する行動宣言・the Declaration on the Conduct of Parties in the South China Sea)で、これはこうした島の領有権を巡って平和的に・エスカレートさせないというものです。
けれども現実は14年経ってどんどん押しまくられています。
こうした状況の中でのPCG副長官との面談でしたが、実際に話を聞きまた現実を目の当たりにして「これは中国に取られてしまうな」と感じました。

当時のPCGは、オーストラリアからの9隻、日本からの1隻中古船で一応、海上警備するようにはなっていました。
しかし、日本の海上保安庁のように常時、船を出しているのかといったらそうではなく、基本的には港に待機しています。
(おかげで船内見学もさせてもらいました。)

South_China_Sea_vector
(Wikipediaより)

基本は港にいて、何かあったらそこに駆けつけるということでしたが、何かあった時に南シナ海でフィリピンが争っているその島・岩に到着するには24時間くらいかかるそうです。
しかも海上警備に欠かすことのできない航空機をPCGは持っていないということです。
つまりまず飛行機が警戒をしながら見張ってそしてそこに船が駆けつけていくということすらできません。
そして一番驚いたのは、フィリピンの予算がこのPCGにしっかりついてないということでした。
「この船はどのくらい出動しているのか」と尋ねると、一月にだいたい2日から3日、24時間から36時間ぐらいの燃料費しか確保できていないという説明でした。
「これでは、取られてしまう」と思いました。

中国の理屈からいえば取ったもん勝ちです。
「守らなかった方が悪い」「取った方が強い」ということで、8/10ブログ「「しっかり安倍総理!」五輪の後、国境が変わっちゃいますよ」で書きましたが、尖閣諸島もどんどんやられてきています。
それでもまだ日本が守っているから、自衛隊そして日米安保でアメリカがあるから中国は島に上陸はしない。
やはり「守る」ためにはフィリピン自身の努力と、そこに日本が応援していくということがこれから先も必要です。

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