中田宏チャンネル_160629_#272_日本への影響

連日お伝えしているイギリスのEU離脱問題ですが「大変なのはわかったけど、われわれにどう影響するの?」と疑問の方も多いでしょう。

まずはあのリーマンショック(2008年)後どうなったのか、事実関係を整理します。
平成20(2008)年のリーマンショック後の為替相場は、当時105円→90円→76円へと円高になり、株価はつられて1万2,000円だったものが42%値下がりして7,000円台となり、大影響が出ました。
「円高・株価など自分に関係ない」という人もいるかもしれませんが、リーマンショック後にボーナスが下がって世帯の半分以上が収入減になったというデータも残っています。

では、なぜ今回のイギリスEU離脱が私たちの生活に影響を及ぼすのか?そのメカニズムです。
円高になれば株安になりますが、株安は株を持っている人の資産効果業の信用力の減少を意味します。
日本ではこのところ個人消費が低迷していましたが、それでも小売店の消費が伸びていたのはインバウンド(外国人が訪れてくる旅行)によるものでした。
しかし、今後は大幅に下がることになるでしょう。
製品を売る側だけではなくて供給している人たちの仕事も減ることにもなります。
円高は企業・個人にとっても輸入が安くなるので「うちには良い」という人もいますが、輸入が増える一方で輸出は厳しくなるので、どうしても日本経済全体がシュリンク(縮小)していくことになります。

家計に置きかえて考えてみましょう。
給料は減っているが物価も安くなっている状態がよいのか、それとも給料も上がり物価も上がる状態がよいのか。
これは後者=給料が上がることで選択肢が増えながら価格が上昇していく方がよい状態です。

円高になると企業収益は圧迫されます。
そして企業は新たな設備投資の意欲に欠けてきます
ましてや円高では、仮に設備投資をするとしても「海外に設備投資をしよう」「海外に工場を作ろう」となってしまいます。
設備投資の減少がもたらすマイナス要素は、一時的ではなく長期に渡ることにもなります。
海外に工場を作ると(国内は)空洞化するからです。
一度、工場を海外に移したらそう簡単に戻ることはできませんし、海外に工場が移ることでその下請け・孫請け企業は倒産し、そこで働いていた人たちは失業するという悪循環に陥ります。
当然、法人部門も個人部門も税収減となり、社会保障費の増大に繋がります。
社会保障は、世界経済の不安定によって株式や債券等の運用がしにくくなって運用益が下がり、今度はもらう年金の減少に繋がりかねません。
税収減で社会保障費増となれば、国の財政はますます悪化していくことになるのです。

いくつか考えただけでも各方面に渡って私たちのところに悪影響が忍び寄ってくることがわかります。

先日、あるレストラン経営の社長と話をしたら
「円高になれば当社にとっては仕入れ値が安くなるから一時的には良い」
「だけど(日本)全体が沈むことによって(結局)当社にとってもマイナスだ」
と言っていましたが、その通りだと思います。
世界が混乱すれば、必ず私たちの生活に影響が及びます。

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