中田宏チャンネル_160610_#259_ベーシックインカム

6月5日(日)にスイスで5つの国民投票が行われました。
5つの案件のうち何よりも注目されたのが、ベーシックインカム(最低生活保障あるいは最低所得保障)の賛否ですが、結果は約8割の人による反対大多数で否決されました。

この国民投票では賛成・反対だけを問い、具体的な仕組みは提示されていないのですが、導入を主張していた人たちによると大人に2500フラン(約27万円)/月、子供に625フラン(約7万円)/月を支給する考え方を打ち出していたということです。

圧倒的多数で否決された議論では「今まで27万円位の稼ぎだった人の勤労意欲が低下する」「企業がスイスから出ていってしまう」また、外国人にも支給する案だったため「そんなことをしていたら外国人がどんどんスイスに来てしまう」などの意見が出されました。
何よりも財源についての考え方が提示されていなかったことが根強くあったようです。

しかし、これを推進してきたスイスの団体の人達は「幅広い議論を開始したから勝利だ、国民投票になったことが勝利だ」と言っています。
実はスイスだけではなく、フィンランドやオランダの一部の自治体などでは実際に検証してみようと来年から試験的に導入するところまで来ているそうです。

この背景には、ロボットが人間に代わる仕事をするようになり、人工知能=AIがどんどん学習をして、人間と同じような思考回路で成長していく時代になってきていることがありそうです。
そうなると「労働」がどんどん減り、加えてインターネットとモノがもっと繋がるようになれば、どんどん離れた場所からも意思が伝わり動いていく時代になるでしょう。

今までは「機械化」というと「人の負担が減る」あるいは「会社において人件費を節約できる」点においての競争でした。
しかしこれから先は、まさに人間とロボットとの競争になってきます。

一昔前なら人間以外はできなかったと思われる自動車の運転も自動運転になっていきますし、人工知能が発達すれば自動撮影が可能になり、カメラがどの表情を撮るかなどのカメラワークすら考えるようになるかもしれません。
全てが人間の手から離れるとは思いませんが、いつも映像を撮影してくれる中田宏チャンネルのカメラマンも人工知能に取って代わられることが出てくるかもしれません。

レストランや農業において人が関わらなくなることもないと思いますが、自動的に食料が作られ、工場で人の手が一切かからずに食品生産に繋がるような時代は来るでしょう。

今回のスイスのベーシックインカムの国民投票は確かにスタートで、これから間違いなくかなりの議論になっていくことでしょう。

<著者>
中田宏
1993〜衆院議員(3期)、2002〜横浜市長(2期)、2009〜総務省顧問、2011〜大阪市特別顧問、2012~14衆院議員。青山学院大経済学部卒、松下政経塾(10期)卒

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