中田宏チャンネル_160603_#254_ヘイトスピーチ

6月1日に国会は閉会しました。
参議院議員選挙があるので延長しないことが前提でしたし、途中で熊本地震が起きるなど、国会の審議は相当低調で、法案がほとんど成立していないのではないかというイメージもあるかもしれません。
事実、重要法案の成立は少なく、(法案)成立率は通常と比べて低くなっています。
(高いか低いかで良し悪しが決まるわけではないのですが)
TPPの批准(環太平洋戦略的経済連携協定)も先送りとなり、今国会は本当に低調だったと総括してよいでしょう。
そんななか可決成立したのが、いわゆるヘイトスピーチ規制法です。

今年1月、大阪市でヘイトスピーチ規制条例が可決された時、1月21日のブログ「【ヘイトスピーチ】「帰化」とか言われますがそういう根性が嫌!」で世界がどうあろうとも排他的になってはいけないことをドイツなどの例を引いて書きました。
表現の自由があるとはいえ、めちゃくちゃなことをしていると結果として法的規制が求められることになるので自制することを社会の教訓としなければなりません。

今回のヘイトスピーチ規制法はいわゆる「理念法」です。
罰則などは無く努めることを国民に求める法律ですが、早くも罰則を設けるよう法改正すべきという意見がある一方で、逆にヘイトスピーチ規制法なんて要らないという意見もあるようです。
この法律は名称に「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」とありますが、そもそも不当な差別的言動とは何を意味するのかその基準が明確ではない、相手が不快に感じたら差別的な表現になるのか、曖昧な規制だ、といったものです。

また、法律では対象を本邦外出身者(=日本人・日本国籍・日本出身者ではない人たち)としていますが、「では日本人に対してはどうなるの?」という疑問を禁じえません。

例えば韓国が従軍慰安婦の問題をいまだ世界中で喧騒していますが、強制的に拉致連行されてきた性奴隷だという主張は明らかに事実に反していることは、1月25日のブログ「【本人登場】勝訴!桜内文城氏『「慰安婦=性奴隷」は捏造』裁判」など、何度も書いたとおりです。
すなわち韓国の主張はウソなわけですが、これについて「ウソつきだ」と言ったら不当な差別的言動に当たるのでしょうか。
ウソつきをウソつきと言っても差別ではないですよね?

逆に、日本人に対して「お前ら死ね!」「ゴキブリだ!」と言った場合は本邦外出身者に対する言葉ではないので法規制外だそうです。
やはり疑問が残ります。

表現の自由があってかたや名誉毀損などの法律もあります。
この間(はざま)で、口汚く、人を不当に差別的に扱ってはなりません。
日本国内でも例えば被差別部落問題などがありますが、これに何か言うことも同様です。

今回の法律が人を差別的に扱うようなことは何人たりとも許されないという国民啓発のための理念法であればまだしも、対象が一方向だけになっていることは疑問です。

<著者>
中田宏
1993〜衆院議員(3期)、2002〜横浜市長(2期)、2009〜総務省顧問、2011〜大阪市特別顧問、2012~14衆院議員。青山学院大経済学部卒、松下政経塾(10期)卒

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