中田宏チャンネル_160530_#250_消費税延期

先週の5月28日土曜日、安倍晋三・総理与党幹部に、消費税8%→10%への引き上げを平成31年(2019)年10月まで2年半の再延期について打診を始めました。
麻生太郎・財務大臣、谷垣禎一・自民党幹事長、山口那津男・公明党代表に検討して欲しいと伝えたそうです。
サミット終了後しばらくしてからの表明かと思っていたので、終了翌日とは意外でした。
正式には国会の会期末にそれぞれ検討してもらった結果として、消費税再延期を発表することになるでしょう。

その発表の内容は、5月19日のブログ「【こう見る消費税】安倍総理が考えてる落とし所と、そのワケ」で書いた通り、世界経済が厳しい状況にあること、個人消費が伸びていないこと、そして熊本地震が複合的要因として含まれるでしょう。
そうなるとアベノミクスは成功か失敗か参議院議員選挙で与野党攻防の論点の一つになりますが、アベノミクスは金融政策に頼りすぎな面があります。
円安により株価が高く企業が潤う状態もありましたが、現在は逆で、年初来、円高になって株価が下がり企業収益が圧迫される状況になっています。
やはり「第3の矢」の「成長戦略」が足りず、投資が増えていないことが消費税を上げられない一つの理由になるでしょう。

また、個人消費が増えていないことが挙げられますが、これは今の時代に誰がやっても厳しいものがあります。
日本のGDPのうち6割が個人消費なので、それを伸ばさないことには消費税は上げにくく、この個人消費が増えない理由は可処分所得個人が自由に使用できる所得が増えていないことにあります。
生活必需品や携帯料金などに支出はするものの、自由にできるお金が増えたのでちょっと贅沢をしようなどといった使い方が増えていないのです。
一部、株価が上がるなどで儲かっている人はいますが、グローバリゼーション(経済的な関連が地球規模に拡大して変化を引き起こす現象)含めて所得の格差につながっていて、お金がもう少しあれば消費を伸ばしたいという人が増える結果には残念ながらなっていません。
お金がある人にもっとお金が集まっていますが、みんなを代表してお金を使ってくれるわけではなく、ここが世界全体に共通する問題ではないでしょうか。

とはいえ消費税が上がらなければ社会保障費はどうなるのか、また2020年までにプライマリーバランス(国の収入と支出の釣り合い状態)の黒字化を果たす目標も無理でしょう。

これらを踏まえた上で、安倍首相は行政改革、政府・公務員のあり方などの見直しをセットにして、消費税の再延期を表明すべきと考えます。

<著者>
中田宏
1993〜衆院議員(3期)、2002〜横浜市長(2期)、2009〜総務省顧問、2011〜大阪市特別顧問、2012~14衆院議員。青山学院大経済学部卒、松下政経塾(10期)卒

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