中田宏チャンネル_160512_#238_フィリピン

今週末、フィリピンの新大統領がロドリゴ・ドゥテルテ氏(71歳)に決まりました。
混沌としていた大統領選挙を制して6月30日にフィリピンの大統領に就任します。

有名な俳優の娘のグレース・ポー上院議員(47歳)やアキノ大統領の後継指名を受けたマル・ロハス元内務自治大臣(58歳)などを破ってドゥテルテ氏がフィリピン新大統領就任という選挙結果になりました。

以前のブログに書きましたが、南シナ海の問題を話し合うための国際海洋議員連盟の会議でフィリピンには二年連続で足を運んでいるので、この大統領選は大変に注目していました。

2014/9/10「野党の議員外交の新境地を開いたフィリピン訪問〜フィリピン国会議員と「海を守るための合意」」
2015/10/8「増刊・中田宏】次々と中国に島を奪われたフィリピンを見よ――安保関連法案を政争の具とした野 党に国会議員としての資格はない。」

ポー候補が知名度的にリードしているけれども何をやりたいのかわからないといった評判でしたが、ドゥテルテ候補の方がもっとわからない!「フィリピン版ドナルド・トランプ」とも言われています。

ではドゥテルテ氏がなぜ勝ったのか、それは今までの実績のようです。

ドゥテルテ氏はミンダナオ島・ダバオ市の市長を務めていましたが、非常に治安が悪く犯罪だらけだったそうです。
市長になったドゥテルテ氏は「犯罪者は殺す」と自警団や警察にピストルを持たせ、犯罪者を見つけて射殺することを奨励してきました。
結果としてダバオ市は最も治安の良い、住みやすい街といわれるまでなったということで、やり方はともかく実績はあるようです。

もう一つの勝因は公約です。
この公約も過激で、麻薬の密売人は全て殺す」と、アロヨ政権下で廃止された死刑を復活させて「10万人を処刑する」と言っています。

フィリピンはそれほどの犯罪大国ですから、犯罪に怯える国民から絶大な支持を得たということなのでしょう。

また、フィリピンで大きな問題となっている汚職を撲滅するために温床になっている軍人や警察官の給料を上げるともしています。
汚職撲滅を期待する人や、対象となる軍人や警官からも支持されたでしょう。

年初のブログで示しましたが、既存政治に対する批判がフィリピンにも広がってきた感があります。

1/1「【謹賀新年!】今年も中田宏チャンネルで「言っちゃいます!」」

南シナ海問題については12/7のブログでも書きましたが、中国がどんどんフィリピンの島を奪っているなかでドゥテルテ候補はフィリピンの領有権を主張した上で「ジェットスキーに乗って中国の人工島にフィリピンの国旗を立てる」と言ってみたり、一方では「中国とは独自に直接対話をして、援助をすれば考えてやる」という発言をしたり、はっきりいってどっちだかわからんというところもあります。

2015/12/7「やっぱ大事でしょ!小さな国際記事に見た「意思と能力」の重要性」

耳障りの良い公約だけ掲げて全然実行されないことや、現状を肯定して全然改革しないというようなことは私は大嫌いですが、一方で既存の政治家に辟易としているからといって面白半分でフタを開けてみなければわからない政治を選んでしまうということが世界に拡大しているとすれば、これも大問題です。

<著者>
中田宏
1993〜衆院議員(3期)、2002〜横浜市長(2期)、2009〜総務省顧問、2011〜大阪市特別顧問、2012~14衆院議員。青山学院大経済学部卒、松下政経塾(10期)卒


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