中田宏チャンネル_160511_#237_パナマ文書

5月10日午前3時、「パナマ文書」に出てくる法人名や個人名が公開されました。
ここ数週間、「パナマ文書」とよく耳にするけれども一体なに?誰が誰に何を公開したの?と思っている方も多いのではないでしょうか。

ごく簡単に「パナマ文書」を説明すると次のとおりでしょうか。

1,世界には税金がただのような地域、タックスヘイブン(租税回避地)がある
2,その地域に法人を作れば税金がタダ同然になる
3,タックスヘイブンで法人をつくるための法律事務所がパナマにあった
4,そのパナマの法律事務所の過去40年間の顧客情報がマスコミに漏らされた

つまり、その顧客に誰が入っているんだ?として大きな問題になったわけです。

この「パナマ文書」を公開したのは国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ・The International Consortium of Investigative Journalists)で、文書のなかには日本関連のものが約400件、個人名は約230人、法人は約20社が含まれていたそうです。

楽天・東京海上・JAL・丸紅・三菱商事・商船三井などの日本の名だたる会社、関連会社と思われるところがあったようです。

課税逃れが犯罪的であれば当然大問題ですが、一方で合法ならば問題にはならないわけです。
しかし道義上の責任には矛先が向けられるでしょう。

民間の企業、あるいは個人であっても、まず世界の税制は各国それぞれ異なります。
例えば日本の法人税は高いと言われますし、それに対してシンガポールや韓国は安い、などの違いがあります。
タックスヘイブンでは税金がタダ同然ということなれば、国際競争のなかにおいて、経済合理性を求めてそこに法人を設立することは民間の原理としてはあり得ることでしょう。

一方で、法律を作ったり、納税を世の中に求める権力者側=政治家などがタックスヘイブンを利用しているとなれば、仮にこれは合法・適法だったとしても道義的な責任が求められるでしょう。
この問題は単純な批判だけでなく、整理が必要だと思います。

とはいえ法人や個人の行政に対する不公平感については問題視する必要があり、制度論として議論していかなければなりません。

ちなみにこの「パナマ文書」を暴露した匿名の提供者は声明で「所得の不平等はわれわれの時代を特徴づける問題だ」としていわば世界の裕福なエリート層による「巨大で広範にわたる腐敗」だと非難をしており、その問題意識としては不公平感があるようです。
日本国内だけでなく世界が国際競争にさらされてるなかでこうしたタックスヘイブンについて世界的・国際的な議論をしていく必要があります。

私の記憶でもかれこれ30年も前から「「パナマ船籍」の船の事故が…」というようなニュースを耳にすることがありました。
ところが実はその船は事実上は日本の船であったりするわけです。
日本国内での登記船だと働く船員は日本国籍つまり日本人でなければならないのですが、パナマ船籍であれば外国人も乗せられるということで日本の船会社がこぞってパナマ船籍にしているのです。
これは課税回避ではなくいわば「法律」回避でしょう。

これまでこの「パナマ文書」の問題は脱税に矛先が向いているようですが、冷静に制度議論をする必要があるでしょう。


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