中田宏チャンネル_160413_#221_G7

4月10日・11日、広島市でG7(主要7ヶ国の外務大臣会合)が開かれました。
11日夜から昨日12日朝にかけてのニュースは、今回のG7外相会議に先立って原爆慰霊碑に各外務大臣が献花をし、アメリカ合衆国のジョン・ケリー国務長官が主導して原爆資料館(広島平和記念資料館)に行ったなど原爆関係に関するものが主でした。

今回のG7外務大臣会合においてはいくつかの声明や宣言が出されています。
①G7広島外相会合共同声明
②核軍縮及び不拡散に関するG7外相広島宣言
③海洋安全保障に関するG7外相声明

①は「テロ」や「北朝鮮」について言及されています。
②はまさに「広島」だからということで「核兵器の非人道性」について述べられています。
そして私が注目したのは③です。
G7が東シナ・南シナ海に注目し、中国の海洋進出を念頭に置いて一方的な現状変更をけん制する内容になっています。

声明の中身を全て読んでみましたが、中国を念頭に置いた声明は2年連続で出されているので意味があります。

まず東シナ・南シナ海の現状についてです。
去年は
「現状を注視」「地域の緊張を高める一方的な行動へ懸念」
という表現でしたが、今年は
「現状に対しては懸念」「一方的な行動に対しては強い反対」
と去年よりも強い表現になっていることが注目に値します。

そして今年新たに、オランダ・ハーグにある常設仲裁裁判所における決定に従うように求めることが加わりました。
いまフィリピンが中国を訴えていますが中国がこれを無視しようとしているので、新たに盛り込まれたこの声明については新聞もしっかり伝えています。

さらに「南シナ海に関する行動宣言(DOC・the Declaration on the Conduct of Parties in the South China Sea)全体としての完全かつ効果的な履行、及び効果的な行動規範(COC・Code of Conduct)の早期策定を求める」とあります。
私は過去のブログ(2014/9/13「増刊・中田宏】日本のメディアはほぼ無視、一方アメリカ・メディアが重要ニュースとした次世代の党「フィリピン訪問」の意味」)のとおりフィリピンなどで何度もこの議論をしてきたので内容をよく把握していますが、平成14(2002)年のASEAN(東南アジア諸国連合・Association of South – East Asian Nations)会合においてDOC・行動宣言が出されています。
要は平和的に解決しましょうという内容で、中国はこれには賛同しています。
しかしASEAN側は「中国は宣言に賛同しつつも全くそれを守っていな勝手に出てきて埋め立てて軍事拠点まで作り始めている。「DOC・行動宣言」ではなく「COC・行動規範」を作り、やって良いこと悪いことを定めて拘束力あるものにしよう」としています。
しかし中国はこれには応じず、ASEAN内では中国の意を受けたカンボジアなどが反対している構図もあります。

今回のG7会合では去年と比べて強い反対の意思表明がされましたが、残念ながら中国は宣言を聞きはするがスルーもします。
どうやって行動を抑制するかをきちんと考えないと、宣言だけではムダになるかもしれません。


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