中田宏チャンネル_160307_#195_シャープ買収

経営不振によって自力再生を断念したシャープが、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業に買収される件は今日7日に買収の正式契約ということでしたが、まだ協議が伸びているようです。

シャープ再建の担い手を鴻海と争っていたのは、経済産業省が約95%の株を保有しコントロールする産業革新機構です。
いわゆる「白物家電」などを東芝の関連部門と一体化させた上で切り離すことなどで出資プランは3000億円でした。
しかし最終的に鴻海に決まったのは、7000億円という巨額の出資額です。
銀行側のしっかりお金が戻ってくる安心感と合わせて、鴻海側が社員の雇用を確保すると約束したことも決め手になるとも言われています。

一方で、名乗りを上げた産業革新機構に日本の中でかなりの声援が送られていた理由は、シャープが培ってきた長年の技術が海外の企業に奪われることを懸念されたからでしょう。

官民ファンドから立て直したケースとしては日本航空がありますが、一方で他の企業が買収して立て直す、日本企業が海外企業を、またはその逆のケースもありました。
すべてが立て直しのためではありませんが、日本企業が巨額の投資をしてM&A・買収した事例としては、決して好調ではなかったアメリカ・携帯電話会社スプリントのソフトバンクによる買収や、武田薬品工業によるスイス・ナイコメッドという薬品会社の買収などです。
業務拡張の観点でサントリーが米国・酒類製造販売ビームを買ったこともありました。

外国企業による日本の製造大企業立て直し事例で真っ先に頭に浮かぶのは日産自動車ではないでしょうか。
日産自動車が経営不振に陥ったところに出資をして立て直したのがフランスのルノー、そしてそこで送り込まれたのが「コストカッター」カルロス・ゴーン氏でした。

技術移転や技術を培ってきた日本の産業が買収で失われてしまうことは、大変残念です。
しかしここまで業績が深刻になっては手遅れなのでしょう。
これまで経営陣は何をしていたのか、銀行や官民ファンドがもっと早く手を打てなかったのか、悔やまれるところです。

かつては電気屋に行けばありとあらゆるメーカーの家電製品が揃い、それぞれの販売店も持っていました。
東京・秋葉原や大阪・日本橋に行けば、松下・ソニー・日立・東芝など、全ブランドが勢揃いでした。
さすがにソニーに冷蔵庫や洗濯機はありませんでしたが、サンヨーブランドもありました。
日本の高度経済成長期で人口も増えて「新しいモノが欲しい」という時代だったのです。
その後、再編があり得べきだったところを出遅れてしまったのが今回のシャープの姿です。

今やサンヨーはパナソニックに吸収されました。
ソニーは一世を風靡したVAIO・パソコン部門を切り離し別会社としました。
自主的に再編を進めて世界に伍するよう頑張っている家電メーカーもありますが、今回のシャープの件を「他山の石として」技術の向上を含めて能動的でないと、同じような危機に陥らないとは限りません。
これから先に残された日本メーカーが生き残っていくためにはそこに力を入れていくべきです。


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