中田宏チャンネル_160202_#172_マイナス金利

1月29日、日本銀行(日銀)が金融政策決定会合マイナス金利の導入を決めたことが大きなニュースになっています。
私流にできるだけシンプルに述べてみます。

日銀の金融政策決定会合は委員が9人いますが、マイナス金利の導入は5対4で僅差の賛成多数となりました。

銀行にお金を預けると金利が付きますが、今回、金利が「マイナス」金利になるわけですから、金利が付くどころかむしろお金を取られる、預けておくと減ってしまうのがマイナス金利です。

しかしこれは日銀と民間銀行との間の預金金利で、一般の人の預金金利が一気にマイナス金利になるわけではありません。
民間の銀行は日銀に当座預金として一定額を預けなければなりませんが、このうち、今後新たに預けるものにマイナス金利が適用されます。

マイナス金利の意味するところは「預けておくと損になるのでどんどん貸出しなさい」ということです。

今回のマイナス金利は景気対策やインフレ目標2%達成のためではありません。
ずばり言えば「円高阻止」「円安」122円くらいのためだと思っています。

結果として間接的には景気対策やインフレ目標2%に繋がるでしょうが、要は今の日本・アベノミクスは円安だからこそ、輸出産業を含めた貿易収支が黒字方向に向かい、円安=株高により企業収益がアップし、そして経済界に対して賃金アップを要請している状況です。
今回のマイナス金利は円高による株の下落や貿易収支悪化阻止を目的として円安とするために日銀がとった策なのです。

日銀はすでに年間80兆円の国債を買い集め、さらには年間3兆円のペースで上場投資信託(ETF:Exchange Traded Fund・証券取引所で取引される投資信託)を買っていますが、これらはもう手詰まりの状態です。
なにをどれだけやっても金融緩和の効果が現れないからと、マイナス金利という「黒田バズーカ」サプライズを出してきたわけです。
実際、直後は円安に反応し株高に繋がりました。

マイナス金利はサプライズではありましたがが、実は伝統的な手法と言われる金融政策です。
世の中にどれだけのお金を出していくかは金利を上げ下げして行うのが伝統的手法で、むしろ金融緩和というモノ・実態よりもお金を出し続ける=日銀が日本の借金である国債を買い続ける方が邪道です。
ヨーロッパではスイスがマイナス金利ですし、ドイツでは4年前からドイツ国債でマイナス金利を導入しています。

しかし世界経済はモノが売れなくなり成長の限界にあります。
世の中にお金を出して少しでもお金を使ってもらおうとしますが、金利を下げても量的緩和をしてももはやお金は流れていかず、そのお金は投機だけに回っています。
こういう状態ではますます世界経済は破綻に向かっている「ヤバい」状態と言えます。


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