中田宏チャンネル_160128_#169_施政方針演説

先日(1/19)にはアメリカ・オバマ大統領の一般教書演説について「さようならアメリカ!?オバマ大統領が「世界の警察」を辞退!」と書きましたが、今回は我が国総理の施政方針演説についてです。

1月22日に安倍総理大臣は衆参両院の本会議で施政方針演説を行いました。
いくつかのポイントとして
●中小企業の生産性向上を目指した設備投資促進のため中小企業の固定資産税を3年間減免させる
訪日観光客3000万人を目指す
同一労働同一賃金の実現
などがあげられます。

具体的な政策外で勉強になった言葉がありました。
江戸時代末期の幕臣・小栗忠順(ただまさ)公の言葉の引用です。
「一言を以て国を滅ぼすべきものありや。『どうかなろう』という一言、これなり。幕府が滅亡したるはこの一言なり」
安倍総理は野党に向けて『何とかなるだろう』という態度ではだめで責任感を持ってもらいたいと皮肉って引用したのでしょう。

ただこの言葉、総理自身にも考えてもらいたいと思います。

財政の問題です。
施政方針演説で総理は平成32(2020)年度の財政健全化目標を堅持と言及していますが、財政は本当に深刻です。
私はたびたび問題提起してきましたし、横浜市長時代は嫌われてでも財政構造改革を行いました。
その理由は将来世代に責任を持たなければならないからです。

施政方針演説の2日前(1/20)に財務省は中期財政見通しを発表しました。
国債の発行残高は8年後の平成36年(2024年)に1007兆5800億円となり、平成28(2016)年度末よりも21%増えると試算しています。
総理は今はアベノミクス効果で税収が増えていると言いますが、財務省は税収は増えるが社会保障費や国債の利払いが膨らんで新規国債の発行額は2年後の18年度以降は増加に転じると試算しているのです。

そもそも財務省の見通しで疑問を持たざるを得ないのが、名目成長率3%を前提としても国の一般会計基礎収支は平成32(2020)年度に5.8兆円の赤字が残るとしています。
前述のとおり施政方針演説では平成32(2020)年度の財政健全化=プライマリーバランス黒字化としていますが、財務省は名目成長率3%を前提にしても無理と試算しているのです。
そもそも3%の経済成長は達成できるのか。
そして3%の経済成長できても赤字が残る=黒字は無理という財務省の試算は、施政方針演説と矛盾しています。

実践した人間だから言えますが、財政立て直しは本当に嫌われることばかりです。
それでも誰がやるか?
そのためには国民に今の財政の厳しさをきちんと伝えて理解してもらう。
そして我慢してもらうことも必要になります。
総理はこのことを事あるごとに国民に伝えていかなければ、「どうにかなる」では済まされません。


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