中田宏チャンネル_160120_#163_台湾新総統

1月16日に台湾(中華民国)で総統選挙が行われ、明進党(民主進歩党)の蔡英文氏が当選、初の女性総統が誕生しました。

結果は
民進党(民主進歩党)蔡英文氏 689万票
国民党(中国国民党)朱立倫氏 381万票
親民党 宋楚瑜氏 157万票
と、2番朱氏と3番宋氏を足し合わせてもトップの蔡氏には届かず圧勝となり、現政権の国民党から民進党への政権交代となりました。

今回の結果は国民党に対する国民の失望でしょう。
台湾では経済がうまくまわらず格差がどんどん広がり若い人たちが台北市内で暮らすための家賃すら払えない状況にあるほどで、このような経済の不満が国民党=馬英九政権に向けられていたのです。
また「馬政権は中国に近づき過ぎ」という批判もあります。
(このことは11/20のブログ「【中台会談】前略・馬英九先生。旧知の友人・中田宏よりの忠告」にも書きました)
馬総統はこれまで、中国に対して経済的にアドバンテージがあるのは同じ中国語を喋り至近距離にある台湾、として中国から経済を引っ張り込むための政策を進めてはきましたが一向に良くなりませんでした。

昨年、国民党関係者と話す機会がありました。
すでに蔡氏の前評判がかなりリードしている時でしたが、われわれ国民党はしっかりと具体策を出しているが、蔡氏は具体的なことを何も言わず国民党批判だけで支持を得ている、とまたかなり批判していました。
しかし今回は蔡氏が具体的なことを言っていないのでなくあえて中台関係に具体的に「敢えて踏み込まず」で選挙を勝ち抜いたと思います。
そしてこれから先の政権運営も「具体的に入り込まず」が一つのポイントになるのでないでしょうか。

具体的にしないということは、前回の民進党・陳水扁政権時代の反省から来ています。
陳総統は台湾独立路線を明確にして国連加盟を掲げるほどでしたが、蔡新政権ではこのようなことに口にせずに現実的な政策を行っていこうということでしょう。
例えば、現馬政権でECFA(両岸経済協力枠組協議 Economic Cooperation Framework Agreement)が締結されはしましたが関連法案が立法院(日本の国会)では未成立のままです。
蔡新政権ではこのような事案を進めて中国と経済的はにうまく付き合うばがら政治的には曖昧にな形でやっていくのでしょうし、私は現状ではこれがベストだと思います。

蔡政権となって日本やアメリカとの関係もある意味で緊密になるでしょう。
中国はもはや日本やアメリカにとっても経済パートナーとして決して無視することができないほど大きな存在ではありますが、経済ルール順守を求めていくのにいわば面的に日・米・台・その他の国々で協力して中国を良いパートナーにしていかなければなりません。
5月20日に正式に着任する蔡英文新政権にはぜひうまくやっていただきたいですし、安倍晋三総理と11月に誕生する新アメリカ大統領ともうまく呼吸を合わせてやっていくことが大切です。


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