160119_#162

1月12日、アメリカ・オバマ大統領が議会で一般教書演説を行いました。

日本では総理大臣の施政方針演説に当たりますがオバマ大統領にとって今回が任期最後の演説になりました。

日本としては、日本やアジアの情勢についてどのように触れられるのかに高い関心があるわけですが、今回は北朝鮮の核実験や中国の南シナ海進出などさえ全く触れられていませんでした。
さっそく日本メディアでは「アメリカのアジア・日本軽視」という見方になりますが決してそうではありません。
というのも今回の演説では外交は全体のわずか4分の1しか触れていなかったからです。

唯一のテーマは「テロについて」のみで、アメリカにとって極めて重要なイスラエル・パレスチナの中東和平問題にすら触れておらず、具体的な外交政策についてはケリー国務長官の外交演説に譲った形となりました。

その演説で驚いたのは、「アメリカが世界の警察(官)辞める。脱・世界の警察」という報道がされたことです。
オバマ大統領が本当にそんなことを言ったのか?
意訳ではないのかとも思いましたのが演説原文に確かに次のようにありました。

(Third,)how do we keep America safe and lead the world without becoming its policeman?
「(第三に、)世界の警察官としてではなく、どのように世界をリードし、アメリカの安全を守っていくか?」

確かに、全世界からアメリカが世界の警察官たる役割を期待されていたわけではありませんし、アメリカ自身が「我々は世界の警察で一番の正義なのだ!」としていたわけでもありません。
しかしアメリカがスーパーパワーの軍事力を持ち世界の秩序に影響して、日本にとってはアメリカが正に「世界の安全」になっていたことは紛れもない事実です。

それが今回の演説では、同盟国や友好国と責任を分担して世界の安全を確保していくと述べており、日本では「応分の責任負担を求められる」という論調になるでしょう。
しかしそもそも日本が国際社会の安定のためにどのように関わっていくかは非常に重要な課題です。
例えば、日本やオーストラリア、東南アジア諸国にとっては中国の台頭が最重要課題ですが、同じ価値観を共有する国々と一つの秩序を作り、それを世界のルールとして構築していくことが大切で、日本はこれにより積極的に関わる必要があります。

今年11月の選挙でアメリカ大統領は代わります。
そもそも「世界の警察」を認められていたわけでもありませんし、また国連がその役を担っているわけでもありませんが、日本は新アメリカ大統領としっかり組んで世界の秩序を作っていくことが求められていきます。


「YouTube」ボタンからチャンネル登録をぜひよろしくお願いします!