20151118_#122

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自民党の野田聖子・前総務会長が、テレビ番組で首をかしげざるを得ない発言をしました。

南シナ海の南沙諸島では、中国がサンゴ礁を埋め立てたりして無理やり島を作り自分たちの領海の起点にする行動に出ています。
南沙諸島は日本の尖閣諸島問題を含めて、中国が力で一方的に「現状変更」を行う象徴的な場所でもあり、その意味で国際社会としてあり方について疑問を呈さなければいけない場所です。

野田さんはこの南沙諸島問題について次のようにに発言しました。

「これからの日本の将来を考えると、労働力がなくなるということは、力を持ってして外交を進めていくという余力はありません」

この発言は私も賛成です。力で対抗して外交を進めるのは無理というのが現実でしょう。
外交は総合力が問われますが、経済力に加えて背景にある軍事力が大きく影響しますので、力だけで進めるのは無理、というのはそのとおりでしょう。

「中国も韓国も、私たちと同様に経済に不安を抱えている。そこが一つの突破口となる。」

これも賛成です。問題はこの次の発言です。

「南沙問題を棚上げにするぐらいの活発な経済政策のやり取りなど、お互いの目先のメリットに繋がるような二国間の交渉とかやっていかなくてはいけない。大人の知恵として。」

これは「誰」が棚上げにするのでしょうか?
中国側が現状変更を棚上げするならばそのとおりですが、そのためには「野田さん自身で交渉してください」というように現実的には不可能です。
中国は経済とは切り離して南沙諸島をコントロールしようとしています。
周辺のASEAN諸国などは中国の経済力や援助も背景にあり現状変更がされても正面を切って文句が言えないという状況すら生まれてしまっています。

また、野田さんの発言からは

では「経済が深まれば、中国は現状変更をやめるのか?」

と考えられるわけで、番組ではキャスターが野田さんにその点を問うと、野田さんはこう答えました。

「そこは直接日本は関係ない。あまりコミットすることはない。むしろ日本ができることは、貿易、または人的交流、科学技術の供与など、得意分野で中国との溝を埋めていくことが、今一番最初に求められることだと思う。」

後段の科学技術うんぬんは反対しませんが、問題は前段の「そこは直接日本は関係ない。あまりコミットすることはない。」との発言です。
日本も彼の地と活発に貿易を行っており、日本の船舶も航行しますから「関係ない」わけはありません。

「南沙で何かあっても、それは日本に対してのメッセージではない。日本は日本として独自路線で、対中国、対韓国との日本らしい外交をしていくことに徹するべき。」

と発言もしています。確かに日本に対する直接のメッセージではないかもしれません。
しかし、「コミットすることはない」という発言と合わせると、そうであれば尖閣諸島について中国が現状変更しても、国際社会はコミットしなくてよいという論にもなってしまうでしょう。

日本に対する中国の実力行使はほかの国からも「おかしい」と声を出してもらう必要があります。
すなわち、中国は国際法に則って対応しなければならないわけです。
国際社会全体で中国に対して一方的に現状変更してはならないと勧告しなくてはならないときに日本は「関係ない」と言い出しては、他国が日本の問題に「われわれは関係ありません」とされても何も言えなくなってしまうわけで、野田さんの発言はいただけません。

野田さんは先の自民党総裁選挙で、無投票とすべきでないと自ら候補者になろうとしました。
私はこのような政治行動の心意気はよいと思いましたが、結局のところ断念となりました。

その恨み節からかやや安倍政権に対して批判的なコメントが多いのだろうと思いますのでそれは仕方がないとしても、今回は度を過ぎています。

この外交センスでは自民党の総裁ひいては総理大臣にはちょっと無理ではないでしょうか。


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