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11月7日(土)、習金平・中国国家主席氏と馬英九・台湾総統がシンガポールで会談しました。 1949年に中国と台湾(中台)が台湾海峡で分断して以来66年ぶりの(海峡の両岸の)トップ会談は「世紀の会談」と世界的なニュースになりました。

中台それぞれが「92年コンセンサス」において「一つの中国」を認めているものの、実態は「両」国と言ってよい状態です。
すなわち台湾は自ら軍隊を持ち、通貨を発行、パスポートコントロールを行い、民主主義で総統(大統領)を選んでいてその意味でひとつの国家といえます。

馬総統は就任以来、中国と親和・融和政策をとってきましたが、その大きな要因はやはり経済によるものです。
昨年の数字を見ると、中国から台湾に490万人の観光客が来たことや、2,300万人の台湾の人口のうち50万~100万人が中国大陸に働きに出ていることなど、中国経済と深い結びつきがあります。馬総統は中国重視の政策を取り続けてきたわけです。
その集大成が今回会談ということになるのでしょうが、率直に言って台湾国民は中国と「一つの国であるのか」ということに対して非常に反発しています。

国民党の馬総統を選出したところまでは「中国との融和路線で経済をよくして欲しい」という台湾国民の願望でしたが、政治的に「一つの中国であること」については望んでいません。台湾国民の8割は現状維持を望んでいるのです。
現状維持とは「中台が一体化することは望まないが、今の台湾が経済も含めて自分の足で成り立つ自由な国でありたい」ということでしょう。
今回の会談では「一つの中国」を確認した上で、馬氏は「両岸の人民は同じ中華民族に属している」と発言しましたが、台湾ではかなり反発があるようです。

台湾・韓国・欧米、そして日本とどの国でも経済が悪くなればその政権は必ず責められます。だからこそ安倍首相も日本経済をダマシダマシ改善しながらその一方で安全保障などの課題に切り込んでいるわけで、経済が悪くなると一気に政権が凋落していくのはどの国も同じです。

馬政権は中国との経済を更に良好にするために中台版FTA(エフタ・Free Trade Agreement・自由貿易協定)に相当するECFA(エクファ・Economic Cooperation Framework Agreement・両岸経済協力枠組協議)を作るなどなんとか経済浮揚を図ってきましたがそれでもよくなりませんでした。
支持率の低下を招きレームダック化した馬政権の任期満了が来年春に迫るなか歴史的なレガシー(実績)を残そうというのが会談に踏み切った真相だと思います。

私は縁あって、民進党の陳水扁前総統とも親しくさせていただき、
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馬総統とはお互い市長時代からのお付き合いで、彼の苦渋の現実路線選択は理解してきました。
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次の政権は民進党の蔡英文さんになる可能性が高いといわれる台湾政局ですが、馬英九さんがこれ以上中国に近づくと台湾国民の信用をますます失い、馬総統所属の国民党にとってはさらにマイナスになるのではないかと思っています。


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