20151102_#110

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10月4日「愛知県小牧市でツタヤ図書館否決」というニュースが流れました。

小牧市の老朽化した図書館の建て替えに伴い、新図書館を名鉄小牧駅近くに建設して市街化を活性化しようという事業計画が進めるなかで住民投票を行った結果、反対が3万2352票、賛成が2万4981票で、「ツタヤ図書館No!」という結果が出たということです。

ツタヤ図書館といえばまずは2013年に佐賀県武雄市の図書館です。
図書館の運営・管理を、民間企業であり書店やレンタルビデオのツタヤとして知られるCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)に任せて一躍脚光を浴びました。

全国に民間委託の図書館がさらに広がりつつあるかと思っていた矢先の今回の否決のニュースでした。

近くの方はご存知だと思いますが、例えば、コーヒーを飲みながら本を読めたりとかつての本屋よりもリラックスできるなど斬新な方法で展開していることもあり、武雄図書館も集客力のある施設となっています。
一方で「いかがなものか」と思われるようなことも判明しています。
やはりツタヤが運営している神奈川県海老名市立図書館に「夜遊び地図、裏の歩き方」なる内容が載っているタイの風俗店に関する記述がある観光案内が3冊あったと問題になりました。

民間委託したことによるメリットももちろんあります。
武雄図書館の場合、それまでの17時の閉館時間が21時まで開館するようになり、週1回の休館日もなくなって原則無休なるなど、利用者にとって便利な図書館に変わったとのことです。

さてこの問題に関して、地方議会ニュース解説員の山本洋一さんが、なかなか掘り下げた記事を書いています。
「住民投票を主導した市民団体が問題視したのは①市長の独断的な市政運営②建設費の高さ③ツタヤ図書館には問題点が多い――という3点。反対票を投じた市民は大きく分けて市長反対派大型公共事業反対派ツタヤ図書館反対派の3派が混在していたとみられる。」
その意味で、単純に「ツタヤに対する批判」だけで反対が上回ったとは考えにくいのでは、ということです。

私は、今回は「図書館の在り方」を皆で考えていく契機になるのではと思います。

例えば私が市長時代に経験したことですが「ベストセラーの本を入れてくれ」という要望です。
多くの全国の図書館でもそのような要望を受け入れいるのではないかと思いますが、公立(公設)図書館が芥川賞や直木賞を取った小説をすぐに置く必要があるかどうか。図書か運営はもとより限られた財政のなかで、どこの書店でも売っているような話題のものは、ご自分で買って読んでもらいたいと思うのです。
ベストセラーであれば、購入されて読了後に寄付いただいたものを図書館に置くのはそれは良いと思いますが、本来は普遍的な価値があり、市民で共有しておくべきも、家庭ではなかなか手が届かないものなどを中心に(それだけに限定すべきということではありませんが)書籍を取り揃えるという公立図書館の役割があるのではないかと思います。

これまで公立図書館の魅力の少なさも問題としてあったわけですから、公立運営図書館と民間運営図書館が、しばらくお互い良い図書館作りを競い合っていって欲しいと思います。
また、ツタヤだけではなく「もっといい図書館運営ができる!」という他の民間事業者にも参入してもらい、既存の競争を刺激することも必要ではないかと思います。

活字離れが久しいと言われる日本で活字文化を残すために、図書館自体が魅力的なインフラとして活字に入るきっかけにするために、あるいは電子図書になかなか普段触れる機会がない人たちも試すことができるスペースを提供するためなどにも、今は社会のインフラ図書館を官民で競い合いをして良いものにしていくための時期と捉え、今後に発展させていけたらいいと考えます。


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