20151029_#108

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中国の習金平国家主席がイギリスを訪れ、今月21日にキャメロン首相と首脳会談を行いました。
このときの手厚いもてなしが話題になっています。
なにせ宿泊場所はバッキンガム宮殿ということですから、それはすごいものです。

その厚遇ぶりの一方、人権問題を抱え膨張主義で国際ルールに従わないような中国と距離を縮めてしまってよいのか、イギリスは人権も何も関係ない国になってしまったのか、という批判がイギリス国内で出ているとのことです。

今回の首脳会談を通じて、イギリスは中国から合計7兆円の経済協力を得るということで、いわばイギリスが中国から経済協力で仲良くさせられている状態になっていて「時代も変わったなぁ」という感があります。

とはいえ、イギリスはこのようなことに慣れている国でもあります。
「イギリス病」と呼ばれていた1960〜1970年代には、イギリスは日本から日産自動車が大きな工場を作ることを受け入れましたし、「ウィンブルドン現象」では、イギリス・ロンドンの金融街シティで「イギリスの銀行や証券会社がメインプレーヤーでなくてもよい。とにかく海外の金が集めよう。そうすればイギリスは確かに復活する」として外資企業を続々投入したこともありました。
そして確かにイギリスの経済は復活しました。
このような経験に照らしてキャメロン首相も経済を掘り起こし盛り上げていくためには中国マネー大歓迎ということだと思います。

一方、イギリスのメディアは中国の様々な問題についてかなり反発しています。
チベット・ウイグルでの人権問題や、AIIB(アジアインフラ投資銀行)に西側陣営でイギリスが率先して加わったこと、南シナ海問題に関してイギリスがほとんど中国に言及していないことなどを主張しています。
人権問題を問われたキャメロン首相は「人権問題を話すには経済関係の発展が重要だ」と答え「両国関係をより強化していけば、率直に他の問題も話すことができる」とも言っています。
今はとにかく経済面で協力し合い、お互いのパートナーシップを強めれば、いずれは言うべきことは言うぞということのようですが、果たして本当か?と多くの人が思っているわけです。

香港を例に挙げます。
習金平氏がロンドンにいる最中に、イギリスの新聞「インディペンデント紙」が香港・雨傘革命の学生運動家・ジョシュア・ウォン氏のインタビューを載せたそうです。
「香港の中国返還に際して、英中間で合意された普通選挙の実施を求めているが、いまだに実現されていない」
つまりイギリスは中国との約束が反故にされてもモノを言わないじゃないか、と大変な失望感をあらわにしています。

もう1つ、英連邦の一員であるオーストラリアも気になります。
オーストラリアはイギリスのエリザベス女王を元首とする国ですが、9月に急遽、首相交代がありました。与党自由党の党首選挙の結果、トニー・アボット首相が敗れ、マルコム・ターンブル氏が新首相になりました。
党首選の時にターンブル氏は経済問題・資源価格の下落・雇用の先細りなどの経済の盛り返しに取り組む姿勢を打ち出し、結果として人権問題に取り組んできたアボット氏ではなく中国に寛容な新しい首相が誕生したわけです。

世界中で経済のためであれば中国大歓迎という現象がどんどん雪崩を打つようであればかなり心配です。
もちろん中国がきちんと責任を持った上で経済成長することは私も大賛成です。
問題は中国にしっかりと国際ルールを従わせることであり、今回は「イギリスよ、大丈夫か?」と言わざるを得ない状況です。


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