20140903日比合意文書_和文20140903日比合意文書_英文
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 9月1日から3日、次世代の党派遣団の団長としてフィリピンを訪問し、フィリピンの国会議員と「海洋における法の支配を推進するための協力に関する共同文書」に合意するという極めて大きな成果を上げることができました。

 外交交渉は通常、国家すなわち政府が行いますが、一方で今回の私達のように議員が働きかける外交もあります。ただし、各国議会の議員同士での友好交流という観点の超党派議員連盟は国会にも多くありますが、具体的な政策を推進する議員連盟は少数です。また、これまでの、特に野党による議員外交の多くは、時の政権の足を引っ張るための二元的・非建設的なものが多く、恥ずかしいことに我が国政府の欠点を言いつらって同意を求めたり韓国や中国など相手国の意見に同調するようなものばかりでした。
 しかし、今回の我々のフィリピン訪問団は、野党の議員外交として、我が国をリードするような建設的なものを目指しました。その結果、極めて具体的に、我が国の国益に資するために「海洋での法の支配推進のためにフィリピンと日本が互いに行動し、他国にも呼びかけていく」ことを目標として呼びかけ、合意を得ることができました。

 フィリピンは7,107、我が国は6,852の島から成り、ともに四方を海に囲まれた海洋国家ですが、フィリピンは南シナ海の南沙諸島などで、我が国は東シナ海の尖閣諸島で、中国の力による一方的な現状変更の脅威にさらされています

 今回、日本の海上保安庁に当たるフィリピン沿岸警備隊(Philippine Coast Guard・PCG)を訪問しましたが、厳しい財政事情から装備は大変脆弱で、海・空軍力も含めフィリピンは中国に圧倒的に差をつけられています。先日報道されましたが、南沙諸島にあるジョンソン南礁は、フィリピンで5番目に大きいパラワン島からは約370km、一方中国の最南・最大の島である海南島から約1,060kmの位置にあります。この海域は、もともとはフィリピンの漁民が漁場として利用してきたのどかな岩礁でしたが、この数年で、中国によって大きく埋め立てられ人工建造物が設置され建設労務員も住みついてしまいました。フィリピンの漁民は中国の公船によって実力で排除され、もはや近づけない状態になっています。

 一方、我が国の尖閣諸島は、海上保安庁が24時間365日、複数隻体制で警戒監視を行っていますが、隙をみせればフィリピンのような事態になることは目に見えています。「守りが甘ければ人のものを取って構わない」という論理は通用しないことは言うまでもありません。一方で、しっかりと守りを固めなければ、領土領海は侵されてしまうのが国際社会の現実だということを忘れてはならないのです。

 帰国直後のメディア向けの記者会見は、すぐに新「週刊・中田宏」で公開していますが、今後は今回の合意をもとに「アジアにおける海洋安全保障のための(国際)議員連盟」を創設するために、国内の同僚議員や他国議員への呼びかけに努力し、国際社会に向けて民主的で法にもとづく問題対処の世論を作るために頑張って参ります。