20150804_#050

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過日、埼玉県の上田きよし県知事から手紙を頂きました。
「私の決意」というタイトルで「私は、去る6月17日に決意表明しましたが、「3期12年以上在任しないよう努める」という努力規定を盛り込んだ多選自粛条例の提案者として残念です」との書き出しです。
上田さんは今、4期目の埼玉県知事選に出ています。

上田知事は大いに成果を上げました。
例えば行政改革では、都道府県で一番公務員数の少ない県にしました。
また、さいたまスーパーアリーナはかつては赤字でしたが上田知事によって黒字に転換し、埼玉県に収入をもたらす施設となりました。
犯罪は、地域の防犯パトロールを強化できるようにした結果、警察が凶悪・重要犯罪に集中できるようになり、そうした犯罪は減少したそうです。
これらのことは横浜市長を務めた私の視点から、大いにその手腕は評価できると思います。

しかし、この上田知事とて、私は、多選には反対です。
多選は、かつては1990年代に4期16年5期20年と続ける知事や市長がいて、汚職が相次いで問題になりました。
しかし汚職が起こるから悪いということだけが理由ではありません。
問題は一人が永くトップに居ることで組織の硬直化が必ず発生することなのです。
もちろんこれは行政だけではありません。
民間会社の社長も野球チームもどんな任意団体も同様です。
一人が永くトップをやればやるほど、その人の考え方でその組織が動いていくようになります。
「うちの社長だったらどう考えるかな」「こういうのは嫌いだよな、こういうのが好みだよな」などと前もった価値観が組織の中に染まっていきます
それでも民間企業は存続できるか否かが問われるわけですが、行政は税金で運営される以上、硬直化は避けなければなりません。
その期間は2期8年なのか4期16年以上だと問題なのかとこれまでのさまざまな議論の中で、常識的な線として3期12年が1つの目安となってきました。
私も横浜市長時代に多選自粛条例を設けましたし、守ることには相当腐心しました。

冒頭の上田知事の手紙の最後には「約束を守れなかったことは率直に県民の皆様にお詫び致します。苦渋の決断でありましたが、皆様のご理解、ご支援をよろしくお願い致します。」とまとめてあります。

自粛条例はあくまで努力規定ですから、3期12年を越えて出馬することはありえます。4期16年、5期20年と出ても構わないのです。
しかし、一旦は自分で作ったルールです。
あえてそれを破るということは、当然、説明責任が求められます
上田知事が今回の選挙で県民に「なぜ再び出馬したのか」をしっかり説明し、そして県民がいかなる判断をするのか、選挙結果を待つのみです。