中田宏チャンネル_190121_#904_EU離脱

イギリスのEU離脱が混迷を深めていますが、合意できないと何が大変なのか?

以前このブログでも書きましたが、イギリスは3年前に国民投票でEU(欧州連合)から離脱することを決めました。そして、離脱する時のルールを決めた離脱案を、EUとイギリス政府間で平成30年(2018年)11月25日に合意したのですが、1週間前の平成31年(2019年)1月15日に、イギリス国会はこの離脱案を否決しました。そして昨日、1月21日までにイギリス政府は次なる代替案と提出する事になっていますが、提出された代替案で今後纏まっていくのでしょうか。かなり厳しいと思います。このままEUとの合意がイギリス国会で認められないままで、ズルズルと期限の3月29日午後11時を迎えてしまうのか。そして、合意なき離脱となってしまうと、経済に大きなリスクを抱えてしまいます。

合意なき離脱を回避する為に、イギリス政府内では離脱の延期論も検討され始めていると言われ、経済界・市場関係者にはむしろ延期論に期待が高まっています。

では、なぜイギリス国内での議論が纏まらなかというと、イギリス領には北部アイルランド地区があります。そこと、アイルランド国との国境問題、また、国境に伴う関税同盟の暫定的な措置の是非、更には様々な人の思惑があるからです。

『合意なき離脱でいい』と言う強硬路線の人たち、『EUに留まろう』と言う残留派の人たち、さらに「もう一度、国民投票をやり直そう』と唱える人たち、理由は様々ですが、今の案に反対を唱える人たちが多く、否決されています。

では合意を破棄し、離脱するとなぜ混乱するのか。

例えば先ほど、関税同盟と言いましたが、EU域内では、貿易取引で関税がかからず、自由に貿易できる状態です。しかし、EUとの合意がなければ、イギリスとEU域内各国は関税を復活させることになります。そうすると税関業務に長蛇の列ができ、流通がストップする、もしくは停滞するという事態に陥ります。そうなると一時的な混乱だけでなく、中長期的にはイギリスからの輸出が不利だとなり、イギリスにある工場や会社を移転する事態に発展します。これは金融の世界でも同じことが言えます。

銀行業等は歴史的にみても、イギリスに拠点を置いてEU域内でのビジネスを行う銀行は多いのでが、イギリスとEUとの合意がなければ、これから先、EU域内での取引資格を失います。要するにイギリスとEU域内は一つの国のような経済取引をしていた今までのような経済の仕組みが崩壊をすることになります。

こうなると、イギリスとEU間の問題だけではなく、例えばイギリスに工場を置いている日産やホンダなどの日系企業はどうするか。ヨーロッパに拠点を置く日経金融機関はどうするか。

この様に、私たちにもじわじわと影響がでてきます。

そして何よりも、同様の現象で世界経済のバランスが崩れ、市場連鎖に繋がるのではないか。
とても懸念されます。

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