中田宏チャンネル_180305_#687_アメリカ経済戦争

ニューヨーク・ダウをはじめとして世界的に株価がどんどん下がっていて、日経平均は先週末の2日金曜日は542円安、5日午前は138円安となりました。

そもそも2月から株価は世界的に軟調でしたが、3月第一週末からの大きな下落はアメリカ・トランプ大統領の
「鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の関税を課す」
という発言によるもので、これはアメリカが中国産の安い鉄鋼製品に悩んでいてこれに対する関税措置を意味しています。

これは実は世界各国共通の悩みで、中国は過剰な設備投資で鉄鋼製品の工場が多くあり過ぎるから安く作り、そして不当に安く売っています。
不当に安い製品に対しては反ダンピング(不当に安い価格で販売すること)税というものを課して輸入を防止できます。
実際にアメリカは中国に対して課していて、今、アメリカの鉄鋼製品の中国からの輸入割合は2.6%で9位です。
トップはカナダの17%ですからずっと少ないわけですが、しかし実は中国産の安い製品は第三国を経由してアメリカに入ったりしていることから、今回アメリカは全世界・各国に対して関税をかけるという発表に至ってるようです。
ということで、1位のカナダや2位のブラジルそして6位の日本にも全て関税が掛かるということでこのトランプ方針に世界各国が一斉に反発しています。

同じような事例としてアメリカは平成14(2002)年のブッシュ政権時代に鉄鋼製品にセーフガード措置(輸入を制限したり、制限を超えたら関税を高くする)を講じたことがあります。
この時はEU(欧州連合、European Union)や日本がアメリカに対抗措置として「農産物の輸入をしない」というオプションを用意して提訴した結果、アメリカはこれを取り下げました。

今回、アメリカは「安全保障」を理由に国内法に基づいて措置しようとしていますが、世界各国はWTOに対して協調してアメリカを提訴することも考えられます。

WTO(世界貿易機関、World Trade Organization)
各国が自由にモノ・サービスなどの貿易ができるようにするためのマルチのルールを決め、貿易障壁を削減・撤廃するため、加盟国間で貿易交渉を行っている国際機関

EU・欧州委員会委員長は
「アメリカの大型バイク・ハーレーダビッドソンやリーバイスのジーンズを輸入しない」
などと言ってますから、こうなると貿易戦争の様相を呈します。

かつて第2次世界大戦は、各国が自国保護のために関税を引き上げたため貿易量が3分の1に落ち込み、植民地を持たない国が侵略を行うなど貿易が一因となりました。
これを教訓として貿易の拡大と自由貿易を維持するためGATT(関税および貿易に関する一般協定)体制ができてその後、今のWTO体制になったのですが、貿易戦争から本当の戦争に発展するようなことにならないことを願います。


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