中田宏チャンネル_170727_#539_プライマリーバランス

先週18日から政府が財政再建目標を先送りする方向で検討を始めたという報道が相次いでいます。

国の多くの借金は不安ですが、今回は財政再建を後退させる内容です。
18日に安倍晋三政権の財政政策の方向性を決める経済財政諮問会議で方針が議論され始め、政府が今まで目標にしてきた
「平成32(2020)年にプライマリーバランス(基礎的財政収支)を黒字にすることはもはや無理だ」
という数字が報告されたようです。
「プライマリーバランス」そのものについては昨年6月に取り上げていますのでこの機会にぜひご覧ください。
2016/06/09『【消費税】増税延期の「プライマリーバランス」って何さ!』
http://nakada.net/blog/5687

目標達成は無理ということで新たに始めた検討は、GDP(Gross Domestic Product・国内総生産)に対するプライマリーバランスの赤字幅の減少比率で見ていくことや、GDPの比率のなかで国の債務の目標設定するという方向の議論のようです。

プライマリーバランスは毎年の予算や財政の赤字や黒字の数字で、家計で例えるなら”給料で日々の生活を賄えるかどうか”ということです。
それに対して今回議論になっているのは日本の経済規模全体でのプライマリーバランスの比率です。
単純化してみると、これまでは日々の給料だけではなく借金を含めた生活全体を黒字にしようという目標でしたが、今後は一個人事業主が1年間働いたその売り上げ全体(=GDP的なもの)で生活が成り立つかどうかの比率を見ていこうということでしょうか。

今年2月2日の別ブログでは「とにかく目標を堅持!」と言う安倍総理に「化けの皮が剥がれるのは時間の問題」と指摘しました。
2017/02/02『【25%増量か!?】総理!国の借金減らしは「根性論」じゃダメ!』
http://nakada.net/blog/8405
今回はその”化けの皮”が剥がされる前に別のものに貼り替えてしまおうという話ですが、その新しい皮である“経済規模”についても、先週20日の日本銀行(日銀)の金融政策決定会合で、目標としていた物価上昇率2%の達成も無理だと先送りを決めています。
黒田東彦・日銀総裁(平成25(2013年就任))は就任してから
「とにかく2年以内に物価上昇2%を達成する!」
と言ってきましたが、実際には0.4%しか上がっていません。
単純には物価が上がれば経済が成長しているという意味ですから、簡単に言うとそれも達成できていないということです。

経済成長させるには国民がお金を使う・消費することが必要ですが、国民は
「社会保障費・年金などちゃんともらえるかしら」
「国は借金だらけでしょ」
「貯金しましょう」
という状況ですから、矛盾しています。

横浜市長時代の財政再建は
「1円でも去年より減らすという目標を確実に実行しよう」
「それが信用に繋がる」
と発破をかけて何とか達成しましたが、国の財政再建は”大”迷宮に入り込んだ感があります。


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